私は「はさまれっこ」。
3人姉弟〈きょうだい〉の真ん中生まれ。
私たちは子どもの頃から、姉を「お姉ちゃん」と呼ばなかった。
私は姉をただの名前だけで呼ぶし、弟も私をただの名前だけで呼ぶ。
姉と私はひとつ違いで、ケンカも激しかった。
絵を描けば。
どっちが真似したとか、どっちが先に思いついただとか争う。
物は取り合う。
引っ張り合って歯を食いしばって離さない。
ほんの少しちょっかいを出されたら、すぐに5倍返しで仕返しをする。
ある時(小学校)。
どちらかが何気なく、ほんの少し肩を突くような、
どうでもいいようなちょっかいを出した。
仮にそれを「姉」としよう。
私はすぐさま5倍の強さで肩を叩き返す。
すると、さらにその5倍の威力で姉に蹴〈け〉られる。
今度は私が蹴り返す。
次に、姉が水道から水を手に取り私にかける。
同じように5倍の量の水をかけようと私も努力し、成功する。
姉は冷蔵庫の中から醤油を取りだし私にかける。
私はすぐにソースを取り出し姉にかける。
姉は更に「練り度」の強いケチャップを取り出し、私に向けてケチャップ発射。
私は更に「練り度」の強いマヨネーズを取り出し、姉に発射。
そこからはもう、お互い練りの効いた“武器”を片手に部屋の中をグルグルと
追いかけ回す。。。その内、私は裸足のまま外へ飛び出した。
姉も追いかける。
家の車の回りをグルグルと追いかけっこしている内に、すっかり疲れてケンカは終了。
エネルギーを使い果たしたようだ。
車はマヨネーズとケチャップだらけ。
仕事から帰宅した父親に、しこたま怒られた。
おまえ達は頭がおかしいのかと。
当時、怒られる時に私たちが父によく言われていた言葉がある。
「このっ!とびあがりが!」
とびあがり?
「飛び」「上がり」のこと?
思い出すと未だにおかしい(笑)
花瓶を割ったり、障子をやぶったり。
だいたい暴れてそうなっていたから、「とびあがり」でも仕方がない(笑)
姉と私はそんなふうにケンカばかりしていた。
ほんっとに、よくケンカしたなぁぁ。。。
今ではお互いが、いざというときの理解者へと成長した。
ケンカが良かったのかなぁ。。。(笑)
弟と私は4つ違いで、年が離れていたせいか、
あんまり激しくケンカはしていない?と、思う。
子どもの頃に、弟と遊んでいた「ごっこ遊び」がある。
それは、台所から食パンを1枚持ってきて押入〈おしいれ〉に入り、
自分たちは親のない姉弟〈きょうだい〉で、今日1日の食べ物はパン1枚という設定。
押入のふすまを開けている時は朝(昼間)で、閉めると夜になる。
「今日はこのパンだけだから、大事に食べるとよ(食べるんだよ)」と言って
ひと口ずつ分けて食べ、食べ終わったらすぐに夜になる。
「さぁ、夜になったよ」と言ってふすまを閉めて各々寝ているフリをする。
30秒もたたない内に、「朝が来たよー」と、ふすまを開けて、
朝ご飯に、またパンを少しずつ分けて食べる。
その、繰り返し。
パンが無くなったら台所からまた1枚持ってくる。
その、繰り返し。
今思えば。
そんなこと繰り返して何が楽しかったのか(笑)
その遊びの事は今でも時々思い出して可笑しくなる。
弟とは、そんな遊びをしていた。
弟が高校生になる春に私は東京へ移ったので、その間(13年間)、
家族として側に居なかったから、お互いがどんなことを考え感じているとか、
知らないまま時が経っていった。
だから。
久しぶりに会うと、お互いの感じ考えていることが食い違って
気が付いたら口論になっていたり、
意見が激しくぶつかり合うシーンも何度かあった。
けど、だから何だろうか、というのが今の結果で(笑)
結局。その事により、意見や感じ方が違っても、
相手を拒否したり無理に合わせたりする必要はない事を学んだのだと思う。
今は、姉弟仲は実に穏やかで、同じ地球に暮らす友人のひとりとも言える。
そして。
姉と弟と3人で遊んでいた「ごっこ遊び」もある。
名前は「赤潮ごっこ」
部屋の中央に布団を高く積み上げて、じゃんけんで鬼を決める。
積み上げた布団の山は、海の中にある小島で、鬼以外の二人はここに登る。
鬼になった人は「赤潮が来たぞ〜!」と言って、その布団の山を揺さぶる。
布団から落ちて赤潮に浸かった人が鬼を交代する。
そんな遊び。
ただの海なら落ちても大丈夫だけど、
「赤潮」の海に落ちたら毒でやられるという設定(取り決め)なので、
布団に必死でしがみつき、落ちないようにするのが、スゴく面白かった。
鬼になったら、
赤潮の海に落とせるように激しく布団の山を揺さぶるのが楽しかったので、
この遊びはどちら側でもけっこう面白かった。
3人とも大声で笑いながら「赤潮ごっこ」をしていた。
それも、小学校の頃だった。
家族旅行の時には、車の中で「歌ごっこ」をしていた。
ただの、歌をうたうだけの遊びだけど(笑)
順番に1曲ずつ歌をうたって、
歌詞がでなかったりして躓〈つまず〉いたら次の人へ移る。
トンネルに入ったら、
何をしていてもすぐに「ぐぅぐぅ」と口に出して言いながら寝ているフリをする。
何故かと言うと。
トンネルが近付くと3人の誰かが「夜が来るよ〜」と言うのだ。
すると一斉〈いっせい〉に体を丸くして(狭〈せま〉いので)
車のシートにうつ伏せになり、
トンネルを抜けるまでは「夜」として、寝たふりをする。
トンネルが来るたびそれをやっている。
そんなふうに、私たちはけっこう3人で遊んでた。
今。大人になり。
「姉弟〈きょうだい〉仲がいいですね」と言われることがよくある。
わざと仲がいいわけではないけど、特に争う理由もなく、
姉とも弟とも、これまでの成長課程の中で自分の気持ちや考えを伝え合い、
さんざんぶつかり合って来た事が背景にあるから、今があるとも言える。
「ぶつかり合う」と言っても、ただの口論や攻撃なら、
そうはならなかった(なれなかった)かもしれない。
どんな時も。
根底には、相手を苦しめたいわけではない、と言う意志があり、
最終的には、相手がが何を訴えていたのか、何を知らせようとしていたのか、
本気でその事に向かい合う姿勢があったから、
食い違う事で心が離れて行く事よりも、「違う」ことを理解する方向へと、
流れる事が出来たのかなぁ。。。と、思ったりもして。
今後は、分からないけど(笑)
先のことは何も知らないけど。。姉弟がいて良かったなぁって思う。
【20070516/01:41】
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